製作事例:金属レーザー加工(レーザーカット)技術と施工技術のご紹介

  

我々ヒラミヤが持つ金属加工技術には、さまざまなジャンルがあります。
その中でも基本中の基本ともいえる、「切る」をご紹介しましょう。

繊細な切断を可能とするのは、高性能なレーザー切断機。
ヒラミヤでは、13年前に導入したドイツ製の炭酸ガスレーザー加工機をメインに使用しています。
縦横方向だけではなく、上下105ミリの範囲で切断する事ができ、立体形状の対象物も切る事ができる優れもの。
ステンレス素材であれば、厚さ0.05ミリの薄いプレートから、12ミリの極厚板までの加工が可能です。

レーザーカッターが持つ性能による精密な加工

金属レーザーカットで作られた自転車

二台の「自転車」は、指先に乗るほどの小さな大きさです。
前後に取り付けられたサスペンションを始めとするディティールが再現されていますが、残念ながらサイクリングを楽しむ事はオススメ致しません。
この「自転車」は、レーザーカッターの性能が実現する一例と言えます。

金属レーザーカットで作られた自転車厚さにしてわずか1.5ミリのステンレス板を切り抜くことで表現された、極小サイズの作品です。
「タイヤ」にご注目ください。
規則正しく切り抜かれたブロックパターンは、小さな歯車を作るのと同様の技術が使われています。

オペレーターの技術で実現可能な異なる金属素材の組み合わせ

真鍮とステンレスの組み合わせ

素材の異なる金属を別々に切り抜き、可能な限り隙間が出来ないように仕上げるには、機械任せというわけにはいきません。
そのはめあい交差は、わずかに1/100〜2/100ミリ。
ステンレスと真鍮では「切れ具合」が違うので、調整が不可欠なのです。
レーザー加工機の性能とオペレーターの経験。
その二つが揃って、初めて実現する作品です。

真鍮の星こちらの「星」は、縦横わずか7ミリ程のサイズです。
厚さ3ミリの真鍮板を切断することで製作しています。

角のディテール細かいディティールではありますが、切り出した星型パーツの先端には、半径0.15ミリのRが再現されています。
これは、条件を細かく、また適切に設定する事が必要とされ、オペレーターの腕が問われる工程となります。

厚さ2mmのステンレス板切り出された星は、厚さ2ミリのステンレス板にはめ込むようになっています。
台座となる板は、304ステンレスと呼ばれる硬度の高い素材。
つまり、大変に堅いステンレス板に受け口として切り抜く技術が要求されます。

三次元の完成形を計算した調整と組み上げ段取り

モジュールで組み上げた立体物

こちらも、ヒラミヤの技術者が作った作例です。
高い精度で切り出されたプレート同士を組み合わせる事で、立体物として成立しています。

接着剤無しで固定可能はめあい交差は非常に高いレベルまで追い込んでおり、接着剤などを一切使わなくても、がっちりと結合出来ています。
同形状のプレートで構成すれば円柱状になり、同じ形状でサイズが少しずつ違うプレートを組み合わせると、シェード形状になります。

金属プレートで構成されたサッカーボール

球体のように複雑な立体物となってくると、製作の難易度が格段に上がります。
立体物の完成形を予想して、各パーツを作っていく想像力。
X軸とY軸、そしてZ軸という三次元で展開される三次元構造物を平面のプレートで構成する幾何学的発想と、これまでの経験から得た調整が不可欠なのです。

サッカーボールの結合部大小仲良く並んだ「球体」をクローズアップしてみると……。
同じ形状をした五角形と六角形のプレートが、同形状のジョイントパーツで接合されているのがお分かりかと思います。

大きさは6センチほど一番小さな球は直径6センチ程で、だいたいゴルフボールくらい。
大きな球がハンドボールくらいのサイズ感ですが、どちらも作り方は同じです。
製作者いわく「無数のプレートを結合する組み立て作業が一番大変だった」との事。

空間の組み立てにも応用

イグアナアイの組み立て風景

すでに公開されている、ヒラミヤストーリーの「イグアナアイ・プロジェクト」は、アルゴリズムを駆使して設計したプレートによって構成した空間表現でした。
微妙に形状が異なる無数のパーツを組み合わせて、巨大な構造体を組み立てるには、高精度の切断技術はもちろん、「球体」を作り上げるような立体的感覚なくして成り立ちません。
さらに、いかに高い精度で切り出し入念に準備していても、やはり現場で微調整を施す「職人の手」が不可欠。
設計から完成まで、責任を持って取り組む。
それが、ヒラミヤの物作りを支える基本姿勢なのです。