「アート・バーゼル・マイアミビーチ」への参加 – 街中にアートが広がる街

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前回お伝えした、世界最大とも言われているアートフェア「アート・バーゼル・マイアミビーチ」に、アート集団「FuFuFu」と一緒に製作した「TORII」と共に参加してきたストーリーの続編。
今回は、本会場やマイアミビーチの様子をお届けします。

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アルゴリズミックデザインによって設計された「TORII」の組み立ても無事終了、メインとなる展示も盛況のまま終わりました。
街中の電柱などに、TORIIの展示会場を示すポストカードを貼りながら、アートバーゼル・マイアミの本会場へ。
あまりの広さに驚かされましたが、本会場以外で多くの催し物が開かれているとのこと。
要するに、マイアミビーチの街全体が、アートフェスの会場となっているという訳なのです。
現代アートをテーマにして、街全体がこれほどの盛り上がりを見せるとは!

「アート・バーゼル・マイアミビーチ」本会場

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会場には、世界中のギャラリーの作品が展示されています。
絵画や彫刻から、家具やインテリア、果ては最新のAUDIもアートとして参加しており、そのバラエティの広さには驚かされました。

もちろん、金属を素材とした作品も数多く、板金を生業とするヒラミヤとしては興味津々。「我々ならばこう作るな……」などと様々な深読みをしてしまうのは、もはや職業病と呼べるかも知れません。
それにしても、このような作品が一堂に会して、大々的に展示される祭典があるという事に驚かされます。

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こちらは、「ロナン&エルワン・ブルレック」という、兄弟でプロダクトデザインを手がけている若手デザイナーの作品。
非常に高い評価を受けているお二人がデザインしたのは、マイアミビーチのプロムナードに実際に設置されている建造物です。
会場には、その模型が展示されていたおり、現地で実物に触れることもできました。
まさしく、実用的で美しいパブリックアートのお手本です。

アートが日常に溶け込む街「マイアミビーチ」

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会場の外に出てみると、マイアミビーチというエリア自体が、アートの浸透している街であることを実感できました。
とあるビルディングは、吹き抜けを存分に使ったギャラリーとなっており、構造物にもなっている特徴的な「梁」は、かのザハド氏の元で学んだアーティストの作品なのだとか。
これほどまでに空間を贅沢に使ったギャラリーは、それ自体がアート作品なのだと知らされた次第です。

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天井まで届く壁となっているのは、すべてが「靴磨きの道具」。
もちろん、一つ一つが実際に使われていた本物であり、その数だけの「靴磨きで生計を立てている人々」が実在する生々しい証拠。
これは、現代社会の繁栄の陰に埋もれがちな貧富の差を示す提言であり、声なき人々の苦労を表した作品なのです。
自らが感じた矛盾や社会へのアンチテーゼを、いかに表現するか。
それが、現代アートが持つ、ひとつの役割であり学ぶ事ができました。

現場に足を運ばなければ出会いはない

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分解した「TORII」を成田から運び、現地で組み立てて展示する。
それは、設計から製造、そして施工にも責任を持つというヒラミヤのテーマそのものです。
そして、現場に出向いて様々な人とふれあう機会を持つという事もまた、大変に貴重な経験でした。
それは、日本国内であろうと、また海外であろうと同じ事。
我々ヒラミヤが作った作品たちが、現地でどのように活用され、また人々の目にどう映ったのかを実感するには、やはり自分自身で足を運ぶのが一番良いようです。

マイアミビーチは治安も良く、また食事も美味しい街。
そして、一番気になったのは、この「移動式のピザ釜車」。
街角の広場で人だかりになっていたピザスタンドでは、トラックのベッドに設置したピザ釜で、焼きたてのピザを作っていました。
その味がまた格別! 「こんなピザ釜を作って、様々な場所に出没し、皆さんに喜んでもらえたら……」。
熱々のマルゲリータを頬張りながら、そんな事を考えたマイアミビーチの一夜でした。

これで「アート・バーゼル・マイアミビーチ」に参加したストーリーは終わりになります。
今後も「ヒラミヤができること」の可能性を探求し、多方面での活動ができればと、次のプロジェクトへの意欲に溢れています。