アルゴリズミックデザインを取り入れた展示会ブースの誕生〜BIOTRI開発ストーリー〜

東京ビッグサイト展示会ブース

「BIOTRI(バイオトライ)」は、3次元曲面を取り入れたデザインをポリゴン化し、板金技術を使った平面の金属で構築することができる空間モジュールシステムです。
ヒラミヤはこれまでにショップやオフィスロビーを飾る常設ディスプレイ、そしてバーカウンターなどをBIOTRIで実現してきました。

「板金」を生業とするヒラミヤにとって「平面の板で立体を表現する」という挑戦は、いわば宿命のようなものです。
金属の板を使いながら、直方体や立方体という形状に縛られること無く、自由な空間表現ができないだろうか? 
そう考えた我々が選んだのは、アルゴリズムを使って3次元曲面を大小の三角形のポリゴンに置き換えるという手法でした。
ヒラミヤにとっても新たな挑戦となったBIOTRIの開発には、ヨーロッパで見聞した経験が生かされています。

BIOTRIのはじまりは、ヒラミヤらしい展示会ブースづくり

BIOTRIの開発は、我々自身のニーズを満たすためにスタートしました。
数年前、ヒラミヤは東京ビッグサイトで行われる展示会の準備に追われていました。
企業のPRを目的とした展示会にお声がけいただいたのです。
我々の展示スペースの広さは4m×2.5m。
その中で、ヒラミヤらしい展示がしたいという想いがありました。

ブースの製作にあたって色々と調べてみましたが、専門の業者さんに頼むのが一般的なようでした。
ですが、費用がかかりますし、我々が伝えたいことを他の人に説明してもらうのももどかしいと感じました。
実際、以前行った展示会では、自分たちの意図をブースの意匠に反映することができなかったという苦い経験があるのです。

ヨーロッパの展示会で見た特注展示ブースの素晴らしさと課題

ヨーロッパでの展示会視察

アルゴリズミックデザインを取り入れたヒラミヤならではの空間表現方法を伝えたい。
ならば、自分たちでブースを作ればよいのではないか?
そう考えた背景には、ドイツで見た展示会設営の取り組み方がありました。
 
ヨーロッパの展示ブースは、会場で製作されるのが主流。
パーテーションで仕切っただけという規模もありますが、目を惹くブースは、施工業者が資材を持ち込んで、文字通り「建てていく」のです。
例えば、とあるブースの「壁」は一見するとコンクリートの打ちっ放しのように見えますが、じつは芯となる板材に薄いコンクリートを現場で貼り付けたもの。
現場合わせで建てる手法だからできる施工方法です。

しかし、課題として見えてきたこともありました。
会期ごとに現場で施工するのですが、展示会が終了すればほとんどの資材が廃棄されます。
その度に出るゴミは半端な量ではなく、環境問題という観点からすれば宜しくありません。
まして日本で開催される展示会は、ヨーロッパよりも開催前の施工時間が短いものが多いので、展示会の度に現場でブースを製作していくような方法は向いていないのではないかと考えました。

どうしたら日本の展示会にマッチしたブースが作れるだろうか?
こうして、BIOTRIの開発が始まりました。